色調補正-1 (2005-)

室内を完全遮光する。

赤と緑の光が1秒ごとに切り替わって点灯し続ける照明を設置する。

201色の色カードを持ち込み、
この照明下で色相順/色調順を判断し、壁に貼る。

二台のビデオカメラを、それぞれ異なる光の取り込み方をするように設定(色補正)し、
色カードを貼った壁面を撮影し続ける。


赤の色光によって照らし出される201色と、
緑の色光によって照らし出される201色の色カードが
1秒ごとに交互に現れては消える状況を見つめ続ける。
—―こうして、『私』のカラーチャートを構成するための空間の設定をする。


『行為』

色の属性である色相とトーンを、
この状況下における私の感覚的事実として捉え、
持ち込んだ201色のカードを壁面にグリッド状に貼り並べて秩序づける。

各色カードの左右隣に、この色光下で視た「現象/事実」としての『色』を、
室内の絵の具を混色して、新たに「つくる」。

色の再現に使用する絵の具の容器の色名部分は、
紙テープで覆って読めないように隠し、あらかじめ識別できないようにして、
混色時に自分が何色を使用しているのか、不確かなまま作業をすすめる。


自ら設定した空間の領域外では成立しないことを前提としたカラーシステムの構成を
試みる。

自らの設定に拘束された、 私自身の知覚に因って成立するカラーシステムの構成を試みる。

私がつくった「色」が、
その場で「正確」に再現できているかどうか、 その作業空間の外に出ないまま、『色調補正」を続ける。



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